OCNエコノミーへの長い道
第5部 地域間の情報格差
 
ホーム > 作者のページ > OCNエコノミーへの長い道 > 第5部

第13章 公平に提供すること

1998年2月18日、三重県のOCNエコノミーのサービス提供エリア拡大予定が発表された。新たに、同じ単料金区域内である、隣の上野市が提供エリア拡大予定に入った。これで、私の住む伊賀町に隣接する5市町村のうち、上野市、関町、滋賀県甲賀町の3市町がサービス提供エリアとなることになったが、今回も、伊賀町は提供エリア拡大予定に入っていない。

NTTが関東だけでサービスするタイムプラス割引について、NTT法に抵触するのではないかと問題になっている時期でもある。私は再び、「昨日OCNエコノミーの提供エリアの拡大予定が発表されたようだが、半年も前から要求している伊賀(0595−45)が含まれていないのは、非常に残念である。NTT法にある、公平に提供することを希望する。1日も早いサービス提供を希望する。」と、NTT三重支店の担当者にメールを出した。しかし、このメールへの返信はなかった。

伊賀町とその周辺図

第14章 サービス開始の気配なし

3月7日、いっこうにサービスが開始される気配がない。もう一度OCNインフォメーションデスクに、「OCNエコノミーを利用したいが、伊賀(0595−45)地域はサービス提供エリアに入ってなく、昨年の8月頃より要望しているが、いまだにサービス開始の予定も立っていまない。いったいどうなっているのか!!サービス提供エリアでなくても、申し込みがあれば、長くとも半年で対応するはずではなかったのか、雑誌での庄子課長の発言はウソなのか。一日も早いサービスの提供を強く希望する。」とメールを出すことにした。

3月12日、OCNインフォメーションデスクから回答があった。しかし、「伊賀地区(0595−45)へのOCNエコノミーの提供時期に関しては、お客様からの要望もあるので、設備的な対応を含めて検討しているが、現在のところ具体的な提供時期については決まっていない。OCNエコノミーの提供地域に関しては、今後も順次拡大する予定だが、拡大については、需要のまとまった地域から順次拡大している。お客様の地域についても、引き続き検討する。」と、相変わらず進展のない返答であった。

これに対し私は、「本当に需要が見込めないのか、サービスをする・しないの線引きをはっきりさせてほしい。まもなく、同一の単位料金区域である上野市でサービスが開始される予定であるが、同時にサービスを開始できないのか。」とのメールをOCNインフォメーションデスクに返信した。しかし、このメールは無視されたのか、返信はなかった。


第15章 郵政大臣失格

そんな折り、衆議院予算委員会の野党議員の質問で、OCNエコノミーが取り上げられた。議員の質問は、「OCNエコノミーでもサービス提供エリアは都市中心で、地方ではサービスを受けることが出来ない。このままでは地域間の情報格差がますます広がってしまう。情報インフラの整備に関しては、これまでのような大都市優先主義を改める必要があるのではないか。」とのこと。まさにその通り、私の言いたいことを議員が代弁してくれたようなものである。

しかし、この質問に対しての自見郵政大臣の答弁は最悪で、期待はずれなものであった。OCNダイヤルアクセスのアクセスポイントを、全国すべての単位料金区域に設置するだの、西暦2千何年を目標に光ファイバー網の整備を進めているだの、まったくトンチンカンである。自見郵政大臣はインターネットのことを理解していないようであり、光ファイバー網の整備も遅すぎる。もっと前倒しで実行すべきであり、このままでは日本だけが世界の情報化に取り残されるのは間違いないであろう。このような答弁をしているようでは、郵政大臣失格である。


第16章 直訴

3月19日、私は実力行使に踏み切ることにした。NTT三重支店長への直訴である。対応の悪かったOCN事務局が、支店長にメールしたところすぐに改善されたという話も聞いているので、支店長にメールすれば何とかなるのではないかとの考えからである。NTT三重支店長のメールアドレスが分かればいいのだが、いくら探しても見つからない。支店長の名前だけは分かったので、郵政省メールで直接手紙を送ることにした。送った手紙の内容はこうである。

「OCNエコノミーに加入したいが、我が家の地域はサービスエリアには入っていないため、OCNエコノミーを利用することが出来ない状態が1年以上続いている。大垣と藤沢でサービスが開始された当初から利用を考えていたが、サービスエリアに入っていないため、申し込みを見合わせていた。昨年の8月に、OCNエコノミーを利用したい旨の意志表示を行っているが、半年以上経過した今現在も、サービス開始の予定すら立っていない。昨年12月26日には、申込書を持ってNTT伊賀支店に直接出向き申し込みを行ったが、サービスエリアには入っていないからと、申込書を突き返された。」

「昨年12月現在のOCNエコノミーのサービス提供地域を見ると、三重県はわずか3ヶ所で、沖縄の2ヶ所に次ぐ、ワースト2位である。これに対して隣の滋賀県は、14ヶ所で山間部にもサービスエリアが広がっている。この落差は何なのか。これは、三重支店あるいは東海支社は、OCNエコノミーをはじめとするマルチメディアサービスについて、やる気がないとしか考えられない。」

「いつになったらサービスが開始できるのか。窓口に何度問い合わせても、検討中でサービス開始時期は未定である旨の返答しかなく、実際に検討している気配すら感じられない。永遠にサービスを提供できないような対応である。」


前へ次へ