OCNエコノミーへの長い道
第6部 CTCN
 
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第17章 もう1つの選択肢

1998年3月28日、インターネットマガジンでCTCNの存在を初めて知った。CTCNは中部電力系の地域系NCCの、中部テレコミュニケーション(CTC)が運営するインターネット接続サービスである。CTCNはOCNエコノミーと同じ、アクセスラインを含む常時接続で、月々の料金が3万7000円とOCNエコノミーより安価である。さらに、CTCNの方が回線の品質も良い。

CTCNのサービス提供地域が三重県とある。早速CTCの担当者に、私の住む伊賀町で利用できるかどうか問い合わせることにした。すると、「伊賀町でも提供可能な地域がある。番地まで分かれば調査する。」とのこと。これは期待できるかも知れない。詳しい住所を知らせて、返答を待つことにした。

すぐにCTCの担当者から返答が来た。「調査したが、お客様の自宅付近には当社のケーブル敷設計画がない。もう少し北の方であれば検討できる。伊賀町内には当社のユーザはほとんどないので、当面は提供予定もない。なお、お客様の自宅付近は当社の局舎から遠距離のため、メタルケーブルでの提供ができない。提供可能な場合でも、光ケーブルでの提供になる。」とのこと。

CTCNとOCNエコノミーの比較表
  CTCN OCNエコノミー
回線速度 128k 128k
初期費用 1,500円〜 800円〜
月額費用 37,000円 38,000円

第18章 あと700メートル

同日、CTCの担当者から電話があった。「本来ならば、メールで「提供できない」と返答して終わりだが、お客様が困っているようなので直接電話をした。」そうである。実際私は困っている。

CTC担当者の電話での話によると、「お客様の自宅から700メール手前の地点までであれば何とかサービスを提供出来るのだが、そこまでが精一杯で、これ以上延ばすことはできない。ケーブルを設置するには、キロ当たり何百万円という費用がかかる。CTCは単年度では黒字を計上しているが、累積赤字があるので提供できない。700メートル手前に事務所を設置できないか、無線LANを使用する方法もあり、電波が2キロほど届く製品も出ている。」という。ケーブル設置に費用がかかるのは当たり前だが、それが第1種電気通信事業者たるCTCの仕事ではないのか。納得できないが、仕方なく電話を切った。


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