OCNエコノミーへの長い道
第16部 ディジタル専用線対応サービス
 
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第46章 料金の2重取り問題

1998年10月16日、NTTがOCNエコノミーの新サービスを郵政省に認可申請をした。これまでOCNエコノミーの区域外接続には高価なHSDしか利用できなかったが、今回の認可申請でついにディジタルアクセスに対応する。

これまでのOCNエコノミーの区域外接続料金は、OCNエコノミーの料金3万8000円に加え、アクセスラインとしてHSDの料金がまるまる9万0000円(15kmの場合)必要であった。OCNエコノミーの料金3万8000円には、インターネットへの接続料金と、ユーザー宅までのOCNアクセスライン料金が含まれているが、区域外接続の場合、OCNアクセスラインを使用しないにもかかわらず、何の値引きも行われず、言ってみれば料金の2重取りであった。

日経コミュニケーションのニュースによると、今回の新サービスでOCNエコノミーの接続料金は、OCNアクセスライン分の8900円を除いた2万9100円となり、この2重取り問題が解消されるという。しかし、OCNエコノミーの接続料金が2万9100円になっても、足回りに使うディジタルアクセスの料金はまるまる必要で、他の第一種事業者との接続に適用される割引料金は利用できない。つまり、足回りとして利用する専用線は「事務所〜NTTビル」だけであるにもかかわらず、料金は「事務所〜NTTビル〜事務所」までが必要になってくる。これまでの料金の3重取りが、2重取りになるだけなのではないだろうか。


第47章 最悪の対応

10月19日、OCNエコノミーのディジタルアクセス対応サービスの詳細を知るため、OCNインフォメーションデスクに電話で問い合わせてみた。ところが、ここでの対応は最悪のものであった。先日認可申請したOCNエコノミーのディジタルアクセス対応サービスについて聞くと、「認可が下りていないので答えられない。」という。今時点で分かっている部分だけでも教えてほしいと聞いても、「答えられない。」の一点張りである。あまりにも高圧的な態度なので、上司に代わってほしいと言っても、それはできないと言う。仕方がないので、別の担当者が電話に出ることを期待して、後日もう一度問い合わせることにした。

10月29日、そろそろ認可が下りたかと考え、再びOCNインフォメーションデスクに電話してみた。ところが運が悪いことに、前回と同じ担当者が電話に出てしまった。とりあえず、OCNエコノミーのディジタルアクセス対応サービスの認可が下りたかどうか聞いたところ、まだだという。一応、詳しいことを教えてほしいと聞いてみたが、案の定「認可が下りていないので答えられない。」という返事しか返ってこなかった。担当者がハズレだったとしか言いようがない。


第48章 やっぱり高い専用線

11月3日、みたびOCNインフォメーションデスクにOCNエコノミーのディジタルアクセス対応サービスの詳細を問い合わせると、認可は10月30日に下りたという。しかし、サービス開始は12月からで、受付はまだ始まっていないそうである。とりあえず、OCNエコノミーのディジタルアクセス対応サービスの詳細を聞いてみることにした。

まず、足回りとして利用できる専用線の速度は128kのみで、64kでは利用できないという。OCNエコノミーは速度が保証されていず、常に128kのフルスピードが出るとは限らないので、64kでも十分ではないかと思うのだが、インターフェイスの違いや、通常のOCNエコノミーと同じサービスを提供するのが目的などの理由で、128kでしか接続できないと言われてしまった。

さらに、専用線の一端はNTTのビル内になるので、DSUと屋内配線の買い取りや持ち込みができず、NTTレンタルのみになる。OCNのホームページには書かれていないが、追加でDSUと屋内配線のレンタル料金が月々1760円必要になってくる。また、施設設置負担金は、片方のみ7万2000円が必要である。

これまで何度も書いてきたことであるが、利用する専用線はNTTビルまでであるにもかかわらず、料金はまるまる必要で、他の第一種事業者との接続専用線のように安くならない。さらに、速度も128kだけで64kは利用できず、利用する専用線の料金はますます割高になってしまう。接続専用線としてディジタルアクセス64の接続専用線が利用できた場合、月々の専用線料金は15kmで1万9000円であるが、現実はディジタルアクセス128の通常料金しか選択肢が無く、月々3万8000円になってしまう。合計で月々6万8720円、これでは個人には高すぎる。

OCNエコノミー+DA128
回線速度 128k(DA128)
回線距離 〜15km
OCN接続料金 29,100円
ディジタルアクセス料金 38,000円(▲140円)
DSUレンタル料 1,700円
屋内配線使用料 60円
月額費用合計 68,720円

第49章 最低利用期間

別のより良いサービスが開始され次第、そちらの方に乗り換えたいと考えているが、このとき問題となってくるのが最低利用期間である。OCNエコノミーの最低利用期間は1ヶ月であるが、足回りとなるディジタルアクセスの最低利用期間は何ヶ月なのだろうか。メールでOCNインフォメーションデスクに問い合わせることにした。

その回答によると、足回りのディジタルアクセスの部分については専用サービスの約款が適用されるので、最低利用期間は1年になるという。「OCNエコノミーの最低利用期間は1ヶ月なのに、ディジタルアクセスの最低利用期間が1年であれば意味がないのではないか。」と聞いたところ、「サービス区域外のお客様から安価なディジタルアクセスで接続し、負担を軽減したいとの要望が高まってきたことから本サービスを提供することとしたが、ご指摘のように利用期間によっては専用線の違約金の支払いが必要となるので、お申込にあたっては十分な検討が必要と思う。」との返答しか得られなかった。

そんなことは分かり切っていることである。足回りのディジタルアクセスの最低利用期間の1年と、OCNエコノミーの最低利用期間の1ヶ月との整合性がないと言っているのであって、OCNエコノミーのディジタルアクセス対応サービスを、区域外ユーザーの提供希望地域でのサービス開始までのつなぎとしても考えているのなら、違約金は請求しないなどの特別処置を考えるべきではないだろうか。また、違約金という言い方も、顧客を悪者扱いしているようで非常に不愉快である。

足回りとしてディジタルアクセス128の通常料金しか利用できないのに加え、最低利用期間が1年であれば、今回の新サービスを利用することはできない。


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