OCNエコノミーへの長い道
第3部 NTT三重支店
 
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第7章 区域外接続って

1997年9月18日、年内にはOCNエコノミーを利用できそうにないので、OCNエコノミーの区域外接続の見積を、NTT三重支店の担当者に依頼した。区域外接続とは、近隣のサービス地域から専用線を引いて、OCNエコノミーを利用するものである。すると、OCNエコノミーの利用料金に加え、月々の高価なHSD専用線の料金が必要で、施設設置負担金は必要でないことが分かった。

施設設置負担金は不要で初期費用が少なくて済むにしても、区域外接続は月々のランニングコストがかかりすぎる。安価なディジタルアクセス専用線も利用できず、高価なHSD専用線のみであり、HSD専用線の料金が月々10万円以上必要だ。月々3万8000円のOCNエコノミーを利用するために、月々10万円以上の料金を別に払うことなど考えられない。こんなにも費用がかかるのなら、OCNエコノミーを利用しなくても、一般のプロバイダとディジタルアクセス64による専用線接続を選択する方が賢明である。OCNエコノミーの区域外接続は考えないことにした。

このとき、私の住む伊賀町へのサービス提供エリアの拡大の予定も併せて聞いた。回答は、「第4四半期(3月頃)提供予定の可能性があるのみで、はっきりとは決まっていない。区域外接続でよければ検討してほしい。」とのこと。進展は見られない。

区域外接続と一般のプロバイダとの比較表
  OCNエコノミー
+区域外接続
一般のプロバイダ
+DA64
契約料 800円 50,000円程度
設設置負担金 不要 144,000円
初期費用合計 800円〜z 194,000円程度〜
月額接続料金 38,000円 98,000円程度
専用線 (〜15km) 90,000円 28,000円
月額費用(〜15km) 128,000円 126,000円程度
専用線 (〜30km) 142,000円 42,000円
月額費用(〜30km) 180,000円 140,000円程度
特記事項 HSD128k DA64はタイプ1

第8章 折り込みチラシ

9月23日、新聞の折り込みに、NTT三重支店からOCNのチラシが入った。それには、「OCNダイヤルアクセスのアクセスポイントが三重県全域に」との文章とともに、「OCNエコノミーも提供地域を順次拡大中」とある。当時三重県内でのOCNエコノミーのサービス提供地域は四日市市と津市の一部地域だけで、その他の地域は提供開始の予定も立っていない。そんなときに折り込みチラシを入れるとはどういうつもりだ!と、再び怒り、申し込みはがきを切り取り、「OCNエコノミーを申し込みたい」と書いてポストに入れておいた。


第9章 やる気のないNTT三重支店

10月29日、インターネットマガジン12月号(インプレス)にOCNの特集記事を見つけ、早速購入した。特集記事中に、OCNエコノミーのアクセスポイントマップがあり、これを見て驚いた。

私の住む三重県には、サービス提供エリアを示すマークが四日市市、津市、鈴鹿市のわずか3ヶ所しかなく、三重県の地図はスカスカである。他の都道府県は、提供エリアを示すマークで埋め尽くされていて、隣の滋賀県などは、入り切らなくてマークがはみ出している。調べてみると、OCNエコノミーの提供エリアがもっとも少ないのは沖縄県の2ヶ所で、三重県はそれに次ぐワースト2位の少なさである。

滋賀県や香川県はサービス提供エリア数が非常に多く、山間部の町や、離島にまで提供エリアが広がっていて、OCNエコノミーへの意気込みがうかがえる。隣の滋賀県甲賀町も提供エリア内である。これに対して三重県はたったの3ヶ所である。NTT三重支店は、OCNエコノミーをやる気がないとしか言いようがない。

記事には、庄子課長のインタビューもあり、OCNエコノミーの加入者数についての話があった。これによると、8月末現在で全国のユーザー数は3400件、うち、関東が2000件、関西が600件であるに対して、三重県の含まれる東海に至ってはわずか100件だそうである。サービス提供エリアもないのだから、ユーザー数が増えるわけがない。NTT三重支店だけがやる気がないのではなく、NTT東海支社がOCNエコノミーをやる気がないのがこれで明らかになった。


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