OCNエコノミーへの長い道
第7部 需要が見込めない
 
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第19章 電気通信監理局

1998年3月31日、郵政省の東海電気通信監理局に電話をすることにした。NTTやCTCの対応が、電気通信事業法の第34条にある、「第1種電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における電気通信役務の提供を拒んではならない。」に違反しているのではないかと考えたからである。

OCNエコノミーのサービスが提供されないことに関して、電気通信監理局の担当者の答えは、「NTTの電気通信事業法第34条における電気通信役務とは、通常の電話の提供だけに当てはまるもので、OCNエコノミーのような付加サービスには該当しない。そのため、電気通信監理局からNTTに対して、OCNエコノミーを利用したいという客がいるということを電話で伝えることはできるが、電気通信事業法による行政指導を行うことは出来ない。」というものであった。

CTCについては、「CTCはデータ通信会社であるので、電気通信事業法のサービス提供の義務が生じる。無理な提供エリア拡大によってCTCが倒産してしまっては困るが、費用がかかる事が、電気通信事業法第34条の正当な理由になるかどうかは分からない。あと700メートルと言う数字は非常に具体的であるが、第1種電気通信事業者の発言としてはおかしい。CTCに行政指導することは可能である。」とのこと。

とりあえず、電気通信監理局にNTT東海支社へ「OCNエコノミーを利用したい客がいる」という旨を伝えてもらうことにした。これで何らかの進展があればよいのだが。


第20章 過疎地なのか

私のOCNエコノミーを使用したいという要望は、そんなにも難しいものなのか。私の住む伊賀町では将来に渡っても、需要は全く見込めないのであろうか。

NTTの主張する、需要が見込めない点について考えてみた。まず、今現在、OCNエコノミーの利用希望は、私の住む伊賀町内では私の1件だけのようである。これが即、将来の需要もないと言えるのかである。他のOCNエコノミー導入記などを読んでみても、「提供エリアに入ったので申し込むことにした」というものばかりであり、「提供エリアに入っていないので、要望を出して申し込んだ」というものはない。すなわち、提供エリアに入っていない時点では申し込みがないのは当たり前で、提供エリアに入らないことには、需要も期待できないのである。

次に、私の住む伊賀町は、山間部の過疎地で、将来の需要も見込めないのであろうか。しかし伊賀町は、内陸部ではあるが山奥ではないし、過疎地でもない。現在の人口は約1万1000人であり、少しずつではあるが増加中である。需要が期待できる、企業や学校も数多く存在する。上場企業の工場もたくさんあるし、事実上の本社もある。学校は、総合学科を設置している県立高校が1校、中学校が2校、小学校が3校、保育園が5校である。

さらに、三重県伊賀地方の7市町村は、広域でテレトピアのモデル都市に指定されている。また、将来の首都機能移転の候補地として、首都機能の移転が検討されている地域でもあるのだ。

CTCの700メートル問題についてはどうなのだろう。私の自宅は山奥にあるわけでもなく、逆に主要県道と隣接している。CTCのサービスを提供できるという、ぎりぎりの地点からは、500メートル先に小学校と保育園、700メートル先に私の自宅、その先には人口1000人以上の団地と保育園もあり、今なお人口は増加中である。さらにケーブルを延ばして、その先の幹線と接続することで、サービス網の拡大をはかることが可能なはずである。

霊山からの眺望

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