OCNエコノミーへの長い道
第21部 さようならOCNエコノミー

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第62章 フレッツADSLが来る

2001年9月、新聞にNTTのフレッツADSLの折り込み広告が入ってきた。それには、我が町では、フレッツADSL1.5Mは来年の4月以降にサービス提供予定と書いてある。早速、ADSLに変えた場合の料金のシミュレーションを行ったところ、現在のOCNエコノミーの価格の半額以下でできるようになることが分かった。しかも、回線速度も数倍になるはずである。

12月、NTTの116番に電話して、いつごろサービス開始になるのか聞いてみることにした。担当者によると、年度末の3月に予定が決まるそうで、それまでは具体的な日にちは分からないということであった。

ところが、我が家は光収容で、ADSLが利用できない地域であることが分かった。光収容ではADSLができないのだ。

ただ、インターネットでいろいろ調べると、メタルへの収容替えを行えば、利用できるかも知れないらしい。


第63章 光収容

2002年2月末日、知人より、3月末からフレッツADSL1.5Mのサービス提供エリアになるという情報をもらった。早速NTTに電話したところ、3月25日からサービスが開始されるとのこと。ただ、我が家は光収容のため、メタルへの収容替えが可能かどうか調査する必要があるが、サービスの受付がまだ始まっていないために、コンピュータにその情報が入っていないので、3月25日まで収容替えが可能かどうかの調査ができないという。3月25日以降に再度問い合わせるように言われてしまった。だからといって、何もしないわけにはいかないので、それまでに調べられることは調べることにする。

我が家への電話回線の現状については、NTT収容局から途中のRT(リレーターミナル)まで光回線で来ていて、RTから我が家まではメタル線が来ているとこのことであった。そして、ADSLをするためには、NTT収容局からRTの間にメタル線が残っていないといけないらしい。

NTTの担当者にしつこく聞いたところ、幸い、NTT収容局からRTの間にメタル線は残っていることは分かったが、今度は距離と工事費の問題が出てきた。ADSLの提供前のためにNTTの路線情報では距離を調べることができないので、地図上で測ったところ、NTT収容局からRTを経由して我が家まで、なんと7.0kmもあることが分かった。7キロといえば、ADSLの使える限界距離をゆうに超えている。リンクするかどうかも絶望的だし、もしリンクしたとしても、アナログモデムよりも遅くなる可能性が高い。加えて、電話がかかってくるたびに、ADSLのリンクも頻繁に切れて、使い物にならないかもしれない。

そして、収容替えのためには、工事費が8600円かかるという。これに通常の契約料や工事費を含めると、初期費用が12200円必要で、リンクするかどうかも分からないのに工事を申し込むことは、大きな賭けになる。

インターネットの掲示板等で調べてみると、タイプ2という、加入電話回線と共有しないADSLの専用線を引くのであれば、工事費が2000円と契約料が800円で、初期費用が2800円だけで済むということが分かった。これなら、リンクしなくても損害は少ないし、電話がかかってくるたびに切れる心配もない。現在加入電話はISDNを使っているということもあって、ADSLはタイプ2を申し込むことに決めた。


第64章 ADSLを申し込んでみる

2002年3月25日、我が町でのフレッツADSL1.5Mのサービスが開始された。さっそくNTTに電話して、申し込んでみる。電話番号を告げると、案の定、光収容なので提供できないとの回答が来たので、タイプ2で申し込み、メタルへの収容替えをができるかどうかの調査を依頼、設備の調査をして、1週間くらいで回答をもらえることになった。

4月5日、NTTより電話があり、メタル線が残っているので、ADSLが利用できるという回答があった。これまで考えていたRT経由の回線とは違い、RT(リレーターミナル)を経由しない昔の残置メタル回線が残っているそうである。

RTを経由した現行の回線は東から来ているが、残っていた残置メタル回線は逆方向の西から来ている。卓上計算によると、残置メタルの距離は6.8km、減衰は48dbだそうである。RT経由より200m短くなったものの、相変わらずADSLの限界距離を超えているが、田舎でノイズの少ないことに期待し、ダメ元で申し込むことにした。

工事日は4月17日に決まり、それまでに、残置メタルの状態を調べ、いい状態の線を探してくれることになった。


第65章 リンクするのか?

2002年4月17日、フレッツADSLの工事日となった。朝から工事の人が1人やってきて、電柱から回線を引き込んで保安器を設置、モデムを繋いでリンクするかどうか確認する。

しかし、いつまで待ってもリンクしない。リンクどころか、ネゴシエーション状態を示すモデムのLEDの点滅もなく、LEDは消えたままで、まるでモデムが回線に接続されていないような状態であった。やはり6.8kmもあれば無理なのだろうか。リンクしないまま、工事の人は帰っていった。

午後、再び工事の人がやってきた。何と、局側の工事が終わっていなかったらしい。局側の工事が終わってから、再度モデムを繋いでみる。今度は、ネゴシエーション状態に入り、1分後、ついにリンクした!

リンク速度は、下り800Kbps、上り512Kbpsであった。下りはADSL1.5Mの最大速度の半分に落ちているものの、上りはフルスピードである。誰も使っていない残置メタルで、干渉がないのが幸いしたのかも知れない。

無事リンクしたので、OCNのプランをADSLアクセスIP8(月額1万1800円)に変更し、トータルの月額料金はこれまでの半額となった。しばらく様子を見て、回線が安定しているようだったので、2年10ヶ月利用したOCNエコノミーは解約となった。

ADSL導入前後の費用比較 (税抜)
Before After 備考
プロバイダ OCN
エコノミー
OCN ADSL
アクセス IP8
固定IP×8
月額料金 32,000円 11,800円 -
アクセス回線 OCN
アクセスライン
フレッツADSL
1.5M(タイプ2)
-
上り速度 128Kbps 512Kbps ADSLはリンク速度
下り速度 128Kbps 800Kbps ADSLはリンク速度
月額料金 4,095円 マイラインプラス割引適用
モデムレンタル 440円 -
レンタルサーバ WebARENA -
月額料金 3,500円 -
合計月額 35,500円 19,835円 △15,665円

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